この二人は金沢と結成した“米澤冬香と仲良くなり隊”に入隊させた力強い味方。
隊長は無論このあたし。
副隊長は現在は向こうでボールを追うことに夢中になっているけど一応金沢。
加奈が書記で、ハルは雑用もといただのしたっぱ。


「やっぱり小学校の時に何かあったんじゃないかしら?」
「でも米澤さん青園小出身なんだよね~。この中学校って三つの小学校から生徒が集まってるんだけど、ほとんどが東雲小か和泉小から来てるし小学校時代の情報はなかなか得られないかも~」


木の枝で地面に簡略な図を描いた加奈の説明に、またハードルが上がってしまったと頭を抱えてしまう。
しかしビバ前向き思考なあたしは、すぐさま威勢を取り戻した。
椅子代わりにしていたボールから落ちそうになりながらも、意気込みを入れ直す。


「だけどそれくらいでヘコたれる夏枝様じゃないわよ!要は青園小出身者を探し出せばいい話じゃないの」
「少なくとも加奈のクラスにはいないみたいだけど?」
「おいおい、どうするんだよナツ」
「どうするも何も学年中当たれば誰かはいるはずでしょ。やってやるわよこれくらい!」
「何の話か知らんがその気合を少しでも授業で活かしてほしいもんだなァ、芳賀?」