たらふく食ってから、食後の運動と言わんばかりにあっち向いてホイを始めだしたナツとおじさん。

俺はソファーを借りながらその様子を眺めていた。

するとおばさんがひょこっとやって来て、


「ハル君、隣いいかしら?」

「あ、どうぞどうぞ」


俺は慌ててかしこまり、椅子の端に寄った。


「ご飯、美味しかった?」


控えめに首を傾げるおばさん。

いかん、自己主張が未熟だったせいで、俺がいかにおばさんの料理を敬っているということが伝わっていなかったようだ。


「いやあれは絶品です!その辺のシェフがふるった物なんかより断然美味かったですよ!なんていうんですか、あのマリネよく漬け込まれていて味付けが物凄い俺好みでしたし、グラタンもチーズの焦げ具合なんかは特に絶妙でした!」

「ほんと?おばさん嬉しいわ」


俺の熱のこもった弁舌に、おばさんは嬉しそうに微笑んでくれている。

花に花を添えたような美しい笑顔だ。

今のままでも十分お綺麗ではあるが、これであと20歳若ければなどと考えてしまう自分に誰か天誅を加えていいぞ。