seasons.(シーズンズ)【完】

*冬香side


愛情と友情を前にして愛情を選んでしまった私への代償は、予想していたよりも軽度なものだった。


「冬香ー!この英語の問題教えてよ」


てんで変わり映えのしない夏枝ちゃんの態度に、まるで彼女を失ってしまうことを覚悟していた自分が馬鹿みたいに思えるほど。

私の日常は健在だったのだ。


「あーそれ、今年の受験くるらしいよ~」

「それホント!?なおさら教えてもらわなきゃ!」


せっかく夏枝ちゃんが今まで通り振舞ってくれているのだから、私も極力不自然な行動は起こさないように気を付けていた。

それでも時折蘇ってくる学校祭のワンシーン。

現に今、私はあっくんとそういう関係になってしまっている。

夏枝ちゃんはどんな思いで私を見ているのかな?

もしかしてムカつく女とか泥棒猫とか思ってる?

本当はもう仲良くしたくないとか……。

そう考えるとやっぱり不安になってしまう。


「ほら冬香!ボケっとしてないでよ」

「……あ、うん」