seasons.(シーズンズ)【完】

「ごちそうさまです」


目の当たりにしたあっくんの予期せぬ行動に、息をするのも忘れて一時停止する私。

だって今、あっくんが私の飲みかけを……!

これって俗に言う、か……か、かかか……間接キス!?

ちょっと、お父さんお母さん美央(妹)どうしよう!?

まだ嫁入り前だと言うのに、冬香がふしだらなことをしでかしたことを、どうかお許しください!


「きゃぁぁあぁぁ!?」


羞恥のあまり思わず叫んでその場から猛ダッシュする。


「あの、冬香!これまだ残ってますよ?」


あっくんの呼び止めが耳に入らないほど、私の思考回路は大爆発寸前だったらしい。

旅館だということを忘れドタバタしながら部屋に駆け込んだら、戻ってきていたみんながすごいビックリして、夏枝ちゃんなんて「また不良組に何かされたの!?」と一人妄想に闘争心を燃やす始末。

他の女の子は「今日オールで恋バナしよっ」とノリノリ。


「恋バナ……」


無意識のうちに浮かんでくるあっくんの姿。

私の飲みかけを飲んでいるあっくん……。

間接キス、しちゃったんだ……。


「うわぁ~……恥ずかしいよぅ」

「冬香ちゃん大丈夫~?」


何も大丈夫じゃない。

色んな意味で今日は寝付けそうにないよ。