seasons.(シーズンズ)【完】

「大丈夫ですか?」

「けほっ……だ、いじょぶだよ……」


ジャージ姿になっているあっくんも入浴は済ませたらしい。

若干髪の毛が湿っている。


「あっくんも飲み物買いに来たの?」

「ええ。――ですけど困りましたね。ここも売り切れですか」

「え?」


自販機を見ると今まさに私が買ったスポーツドリンクのボタンには“売り切れ”という文字のランプが浮き上がっていた。

つまり私が最後の一本を買っちゃったってこと?


「ここに来るまで他の自販機も見てきたんですけど、どこも売り切れなんですよ。最近売れてますもんね、この商品」


うう、なんだか罪悪感が……。

こんなことなら別なメーカーのスポーツドリンクにしておけば良かった。

なんて言っても今更どうしようもないし。

うろたえながらも、私は手にしていたペットボトルをあっくんへ差し出した。 


「あ、あの、これ……今私がここで買ったのだけど、あっくんよかったらどうぞ!」


ってもう口付けちゃったんだった!

何変なこと口走ってるの私!

こんなのお節介ってやつだよね。

あーもう恥ずかしいなぁ……。


「宜しいんですか?では少しだけ頂きますね」


ゆでダコのように真っ赤に染まった顔を俯けて後悔していると、ひょいと私の手からペットボトルがさらわれた。