seasons.(シーズンズ)【完】




小学生に上がり、涼人にある想いが芽生えていることが分かったのは小学三年生の時。

いつものグループで外遊びをしながら雑談していると、当時からお調子者だった金沢が好きな子の話題を持ち出してきた。


「誰にも言うなよ?言ったらゼッコーだからな」

「おっけーおっけー」

「早苗ちゃんが可愛いと思う……」

「あーなるほど。でもオレは美代ちゃん派だな~。優しいし」

「涼人はー?」


会話を仕切っていた金沢の問いに、ふいを突かれつつも涼人は答えた。


「瀬戸ほなみ」


そうだろうとは思っていたので僕はさほど驚かなかった。

それよりも、好きな子の暴露をあっさりしてしまった意外性に驚かされたのを覚えている。


「アッキは?」


的を僕に変更してくる金沢。


「残念ながらまだ好きな子はいませんね」

「なんだつまんねーの。じゃあできたら絶対教えろよな?」

「はい」


金沢は親指を立てて子供らしく無邪気に笑う。

照れ隠しで嘘をついたのではなく、本当に僕はこの時想いを寄せる相手がいなかった。

あれだけ親しくしていたほなみでさえ家族という目で見ているせいもあり、そういう感情を抱く対象ではなかったのだ。


「秋人」


金沢に笑い返していると、涼人が冷たい声調で僕を呼んだ。