「ほーら、講習で糖分使ってきちゃったでしょ?アイス食べに行くわよ」

「……ぇ」

「そのために集まったんじゃないの。ねっ?」

「そうだよ冬香ちゃん。夏枝アイスアイスうるさかったんだから~」


そんなにうるさく言った覚えはないけど、今日はこの状況に免じて、加奈のちゃっかりした発言も見逃してあげるわ。

ベンチから腰を上げた私に、冬香の弱々しい声が届く。


「夏枝ちゃん……」

「なーに?」


先を行くあたしに背中越しから掛けられた言葉。


「私、夏枝ちゃんの味方だよ」

「……そう」


……お馬鹿。

そんなこと分かってるわよ。

分かってる……そう、分かってるの。