あー、あの金髪もどきがね。

それはそれは、クラス替えさせてくれたことには感謝してもしきれないくらいよ。

お陰で秋人くんと同じクラスになれたんだからね。

でもそれと今回の件とは話が別すぎるわ。


「ソイツが何?」

「……その人にちょっと訊きたいことがあったの」

「どんな?」

「…………」


まただんまり。冬香の十八番はこれに決定ね。


「いいわ。言いたくないこともあるだろうしね」

「……ごめんね」

「それで?」

「うん、それでなかなか教えてくれないから私ちょっとしつこくしすぎちゃったみたい」

「なるほど、そりゃお互いに災難だったわね。あたしが来なかったらどうなってたことやら」

「本当にごめんなさい」

「謝るのなし。冬香が無事でよかったわ」


そうよ。せっかくの夏休みに事件を起こして、休み明け冬香の席がなくなってるのは御免だもの。