seasons.(シーズンズ)【完】

*冬香side


夏休み初日。

太陽に照り尽くされお好み焼きの鉄板みたいになっているアスファルトに参りつつも、日傘を片手にバスを待っていた。

理由は普段通っている塾の夏期講習が始まるからだ。

腕時計を見ながら予定より早く来てしまったことを悔やんでいると、向こうから顔見知りの彼が歩いてきたので声をかけてみる。


「……あれ、進藤くん?」

「こんにちは」


奇遇なことに進藤くんと鉢合わせた。

私服姿見たのは体育祭の打ち上げの時っきりだったけど、改めてみると結構オシャレさんでかっこいいなぁ。

夏枝ちゃんだけじゃなくて色んな子から人気があるのも分かるかも。

こんなに太陽が出てるのに日傘も無しじゃ、せっかくの色白が勿体無いよ。

あ、でも男の子は美白とかこだわらないか。

ていうかどこに行くのかな?

同じバスに乗るんだよね……多分。


「偶然だね。お出かけ?」

「ええまぁ。講習会ってやつです」


講習会?もしかして……?


「もしかして駅近くの塾の講習?」

「そうですけど、米澤さんは……?」

「あ、私そこの塾生なの。講習会は強制参加だから」

「てことは夏休み中も米澤さんとは毎日顔を合わせることになりますね」


トクン。

微かに胸の鼓動が高鳴った気がした。

これは何?なんでこんな気持ちになってるの?

私、いま嬉しいって思わなかった?