seasons.(シーズンズ)【完】

「ちょっと、もう少し傘こっちに寄越しなさいよ。あたし半分濡れてるじゃない」

「俺だって左肩湿ってるぞ」

「やっぱり一人用に二人は無理があったわねぇ」


ナツは上目遣いで水玉の傘を見上げ、小さく息を吐いた。

そりゃ製造者だって一人用として作ってるんだから当たり前だろ。

にしてもこのツーショット、どっからどう見てもカップルだよな。


「なんかあたし達カップルみたいね」


同じく。


「不本意だけど」


失礼だぞお前。

けどそう言いたくもなるか。

コイツには本命の中の大本命が存在しているんだからさ。

つーかことあるごとに思うんだが、ナツはどうして進藤に想いを寄せているんだ?

動機を起こした出来事くらいはあるだろうに。


「ナツさ、何がきっかけで進藤のことを好きになったんだ?」


なかなか機会がなかったというのもあってか、俺は躊躇せず単刀直入に訊ねた。

本当に気になっていることは全然言い出せないというのもあって、あまりにもすんなりと口にしていたのだ。