seasons.(シーズンズ)【完】




まんまとナツのペースに飲み込まれてしまった俺は、要望通りアイスを奢ってやった。

商品名にリッチと付くほど高級感溢れるソフトクリームだ。

幸い小遣いはもらえているので、これくらいなら痛い出費でもないがな。


「んー、やっぱり美味しいわね。ハルもいる?」

「遠慮しとく」

「あっそう」


隣でご満悦にアイスを味わうナツを見ていると、またあの感情がぶり返してきた。

コイツはなんでこんなに明るく振舞えるようになったのだろう?

木村が言うからに転入時のナツは、まるで生きることを拒絶しているかのようにいつも放心状態。

以前の米澤のように誰とも交流を深めようとせず、いつだって酷く落胆して暗いオーラを放っていたそうだ。

それがどういうことか、ある日突然様子が一変して今のようなじゃじゃ馬娘になったという。

俺はそのキッカケが知りたかった。

何がナツを立ち直らせたのか、気になって仕方がなかった。