seasons.(シーズンズ)【完】

「避けろハル!」


突然シゲの声が脳内に響いた――が、考え事に耽っていた俺の伝達速度は低下していたためバレーボールは見事に顔面ヒットを果たした。

おい、これ鼻血出てないか?

もしくはボールの跡が顔一面にくっきり刻まれてるとか。


「大丈夫かよハル~」

「あ、あぁ……平気平気」

「ボケ~としやがって、悩み事か?」


本来校庭で幅跳びのはずの体育の授業。

雨天により屋内にて男子はバレーボール、女子はバドミントンに変更されたんだっけな。

んなことはどーでもいいんだけよ。

苦笑いで醜態を誤魔化しながらふと目をやった先には、ラケットを抱きしめながらこちらを見ている米澤が。

しまった!とんでもくダサい現場を目撃されちまった!と焦る必要もない。

ナツならともかく、米澤ならこんなアホ話をネタにしたりはしないだろうからな……多分。