seasons.(シーズンズ)【完】

*春輝side


先日、輝く月のもと木村から聞かされたナツの辛い過去。

本当の家族を事故で失ってるだと?

あんなハチャメチャ繰り広げる鬱陶しいくらい元気で身勝手な女が、そんな悲劇のヒロインみたいな過去を持っているなんて信じられると思うか?

……なんて、偉そうな口は利けないに決まってる。

信じるしかないんだよ。というより疑う要素がないんだ。

木村がこんな笑えない嘘をつくとも思えないし、ナツが体育祭で応援に来てくれていた家族のことを「おじさん」や「おばさん」だなんて、あたかも実の両親ではないことを強調している名詞で呼んでいたこと。

これを知って、なお疑えるはずがない。

木村の言ったことは紛れもない事実なんだ。

――なあナツ。お前のその活気はどこから湧いてくるものなんだ?

それは暗い過去を紛らわすためのものなのか?

お前はどうやってここまで立ち直ることができたんだ?

お前は――……、