【リメイク前】大きな桜の木の下で【完】

そもそも怖いもの知らずの桜夜くんが私に付き添ってもらう必要はあったのか。

それを訊ねようとしたところで、歩みを進める桜夜くんの目的地が校舎の中ではなく、あの桜の木であることが分かった。

どうしてわざわざこんな場所に……はっ、もしかしなくても桜夜くん柄にもなくあのジンクスを信じていて、私に告白しようとしてるんじゃ!?

で、でも桜夜くんに限ってそれはないでしょうよ。こうやって突っかかってくるようになったのは、単に哀れな失恋女に同情してあげたくなったとかそんなところだろうし、桜夜くんだってまだまだ遊び盛りで色んな女の子にチヤホヤされたいから彼女なんていらないだろうし。

変に意識しだしたせいか胸の鼓動が激しくなってきた私をよそに、桜の木の下に腰を下ろした桜夜くん。

あれ、今日は登らないんだ。いつだか高いところから人を見下すのが好きとか言ってたから、今日も登るのかと勝手に思い込んでたよ。