「おい、今日は千鶴も登れよ」
「えー、危ないからやだよ」
「たまには桜の下じゃなくて、桜の中で食べる昼飯も悪くないぞ」
「そうかもだけど、私木登りなんてできないし」
桜夜くんも知っての通り文化系の部活に所属する私は、所謂運動音痴というやつで、毎年運動会やマラソン大会の時期が近付くと憂鬱にさせられるほど。
そんな私にこの高い木を登れとは、これまた難易度Sかつ鬼畜な要求である。大体中にスパッツとか穿いてないし、色んな意味でのリスクが付き纏う。
一向に首を縦に振らない私をよそに、慣れた動作で先に木に登った桜夜くんは「ほら」とこちらに手を伸ばしてきた。
やはり私に拒否権はないらしい。逃走すれば後が怖い。
私は仕方なくお弁当袋を腕に引っかけてから、桜夜くんの手をとった。
「えー、危ないからやだよ」
「たまには桜の下じゃなくて、桜の中で食べる昼飯も悪くないぞ」
「そうかもだけど、私木登りなんてできないし」
桜夜くんも知っての通り文化系の部活に所属する私は、所謂運動音痴というやつで、毎年運動会やマラソン大会の時期が近付くと憂鬱にさせられるほど。
そんな私にこの高い木を登れとは、これまた難易度Sかつ鬼畜な要求である。大体中にスパッツとか穿いてないし、色んな意味でのリスクが付き纏う。
一向に首を縦に振らない私をよそに、慣れた動作で先に木に登った桜夜くんは「ほら」とこちらに手を伸ばしてきた。
やはり私に拒否権はないらしい。逃走すれば後が怖い。
私は仕方なくお弁当袋を腕に引っかけてから、桜夜くんの手をとった。