【リメイク前】大きな桜の木の下で【完】

「よォ」

「ふおぉぉおッ!?」

「……女にあるまじき奇声だなぁオイ」


ポンと肩に手を置かれた刹那、言われた通り品性の欠片も無い声を上げた私は、飛び出しそうになった心臓を押さえながら勢い良く振り向いた。

そこには呆れたような顔をした曽根くんがいて、私は息を吐きながら胸を撫で下ろす。

なんだ、曽根くんかぁ。いや、曽根くんもある意味危険人物ではあるけれど、一応ちゃんとした人間っていうか顔見知りだし、幽霊とか通り魔に比べれば可愛い方だろう。事実顔は可愛いし。

なんて言ったら怒ったりするのかなぁ?

でもこの人自分が女顔であること武器にして、みんなからちやほやされてるって聞いたこともあるし、大したコンプレックスではないのかも。

にしても睫毛長いなぁ。飾らずにこの美貌とは、放課後駅のトイレで必死にメイクしては街に繰り出しているギャル達に喧嘩売ってるとしか。

私が曽根くんの顔をまじまじと観察していると、曽根くんはニヤリと口端をつり上げて笑った。