「あっ………」
少し、私が目を離した時、美香が悲惨な声をだした。
美香の目線のさきは、愛梨と由来。
じゃない。
姫実だ。
姫実は、愛梨には死角の位置の下駄箱に登って水の入ったバケツをもって今にも上から愛梨にかけそうだ。
由来は、それに気づいているのか笑いながら自分のスリッパを履いて愛梨と距離をとった。
と、その時────
バシャバシャバシャッ………………
愛梨に大量の水がかかった。
「キャハハハ!!ちょっと、愛梨大丈夫ぅ?キャハハハ!」
由来は、お腹を抱えて笑っている。
「………………」
愛梨は、うつむいたまま。
「あー!!愛梨ごっめーん!」
死角の位置にあった下駄箱の上から降りてきた姫実は愛梨にかけよった。
わざとらしく。
「…姫実。」
愛梨は、姫実の姿をみて一瞬目を見開いた。
「愛梨がいたの気づかなくてぇ~ごめんねっ♪」
そういって、由来と一緒にその場を立ち去っていった。
「………ひでえ…」
「う、うん………。昨日まで一緒につるんでた人達なのに…。」
私達は、固まったまま愛梨の姿を観察していた。
これが、観察じゃなくて通りすがりでみていたなら声をかけて大丈夫?といっていただろう。
けど、これは作戦だ。
だから、見守っているしかできない。



