「俊…」 「あら、俊くん。咲希のことよろしくね」 「あ、はい。分かりました。 咲希、行こ」 俊は私の手を握って学校へと向かう。 その握る手は少し逞しくて。 でも、凄く痛いです俊さん。 「俊…っ、痛いよ…!」 「あ、ごめん」 パッと手を離す。 私の手はジンジンと痛む。 「目、昨日よりはマシになったな」 俊が私の目を触った。 俊の手はひんやりと冷たくて、昨日使っていた氷みたいだった。 「うん、氷のお陰だよ」 「そか。よかった」