ドロップ・ダスト【完】




「はぁ~、なんかすっげー清々した」


ご満悦な様子になってうんと背伸びをする雛沢の隣で、妙に口元を引き攣らせている私。
あの後、私の手を引いてお葬式会場と化していた教室をあとにした雛沢は、ひと気の少ない場所を求めて足を進めた。

かの有名なお雛様が女子と手を繋いでいると騒ぎ立てる女子生徒とすれ違う度に気まずい心境にさせられつつも、されるがままにやってきた屋上。
仰いだ空の一点の雲もとどめぬ様は、まるで彼の心情を描いているようだ。

気が晴れたのであればそれは大いに結構なことではあるが、だからってあそこまで派手なことをする必要があったのだろうか。
あれじゃ明日にはファンクラブ壊滅どころか、アンチクラブが結成されていても当然の報いとして受け入れるしかない。

まぁ、展開が読めていながら止めなかった私も私だけど。
やり口が外道とは言え、だからこそ広い校内ではあのくらいインパクトがあった方が即効性があるのも事実だ。


「あーあ、これでもうみんなから持て囃されることもなくなっちまったわけだ」
「自業自得でしょ」
「ははっ」


参ったように笑った雛沢に私も表情を緩める。