ドロップ・ダスト【完】




重量のある扉を開ければ、夏の始まりを告げるかのような生温い風が吹き込んできて、捲り上がりそうになったスカートを押さえながら外に出る。
ぶっちゃけサボりなんて一年の時にどうしても睡魔に勝てなくて一度保健室に行ったきりだったから、なんだか無駄にドキドキしてしまう。
断じて船木と二人きりだからとかそういうわけではない。
確かに奴はまあまあカッコイイとは思うが、別段そのような感情を抱いたことは無いのだ。


「それにしてもよく私の異変に気付いたなぁ。船木って観察力あるってか、結構鋭いとこあるよね」
「これでも心理カウンセラー目指してるからな。他人の心理状態には人一倍敏感じゃないとやってけないんだよ」


先程の話題の続きを切りだせば、得意げに胸を張る船木。
そういえば船木にはそんな取ってつけたような設定があったんだ。
しかしそのお陰なのか、彼はクラスの女子からも接しやすいと支持を得ていて、私自身も良き男友達という感覚ではいる。
最近雛沢のせいでストレスが溜まってるから、私も癒しのカウンセリング的なものを提供してもらうべきかもしれない。