突き立てられる凶刃。

脇腹を押さえ、倉本は崩れるように倒れる。

「倉本さん!」

駆け寄り、倉本の体を支える巽。

「……」

それを見ながら、鬼首は血に塗れたドスを投げ捨てた。

「鬼首…てめぇっ…!」

睨み付ける巽に。

「言っただろうが、遠慮なく背後から刺させてもらうって」

鬼首は不敵に言い放った。

「ま…てめぇじゃなくその刑事…背後からじゃなく正面からだったがな」