BEAST POLICE

老婆は不安そうな表情で言う。

「あの…本当に警察の方なんですよねぇ…?」

「ええ、勿論です」

人当たりの良い笑顔で頷く男。

「警察ですが、警視庁ではありません。警視庁より上の極秘の部署です」

まるで子供の作り話のような幼稚な説明。

しかし判断力の鈍った高齢者相手ならば、この程度の騙りでも騙せると考えたのか。

『預金を守りますから口座番号と残高を教えてください』

そんな内容の電話を老婆宅に数回にわたってかけ、今日こうして会う事になったのだ。