青年は午後4時頃、広島県警察本部と目と鼻の先にある立町の銃砲店から、店員や客を休憩室に押し込めた上でライフル銃3挺と弾丸80発、散弾250発を強奪し、タクシーで検問を突破し広島港に向かった。

青年は待合室で銃を乱射しながら桟橋に向かい、船舶への乗船を阻止しようとした警戒中の警察官に発砲し負傷させ、そして停泊していた愛媛県今治市行きの瀬戸内海汽船所属の定期旅客船に乗り込み、船長を『どこでもいいから大きな街に行け』と脅迫して午後5時15分に出航させた。

この時、船に乗り込んでいた乗員9人と乗客37人が人質となったが、船券を持っていたのは18人で、残りの19人は見送り客など桟橋に居合わせていて巻き添えで乗客になった。