高さ5メートルもあるかと思われる鉄製の門がゆっくり開き、窓を格子で覆われたグレーの護送バスが塀の中に吸い込まれていった。

関東刑務所。

犯罪傾向の進んだ者(累犯)であって、執行刑期10年以下の受刑者の処遇を目的とする刑事施設。

現在、受刑者約800人による暴動の真っ只中である。

そんな刑務所に、何故護送バスが入っていくのか。

本来ならば、まず暴動を鎮圧する為の対策を講じるのが普通だろう。