BEAST POLICE

「凄いですね、巽さんは」

後ろからチョコチョコとついて来る環が言う。

「あ?何が」

「…私にとって歌舞伎町は、スカウトやホストのキャッチ、ヤクザがウロウロしていたり、怖い街って印象しかないんですけど…そんな街でも、巽さんは堂々としているっていうか…」

「刑事がビビってちゃ、仕事にならないだろ」

何言ってんだと、巽は笑う。

環もつられて笑う。

しかし、だからこそ巽には安心してついて行けるし頼る事が出来た。

先程の芸能プロダクションの社長のように、自分の欲望でタレントを食い物にしようとする者や、地位を上げる為に他のタレントの足を引っ張る者。

芸能界は、見た目の煌びやかさとは反対の、どす黒くてドロドロした世界だ。

他人を信用する純粋な人間は、この世界では生きていく事が出来ない。

だが巽だけは信用できる。

環はそう思っていた。