「どこに行くんだ?」

「勿論お暇すんのさ」

巽の言葉に、鬼首は答える。

「すぐにここも警察が来て賑やかになる…このまま残って、ドサクサに紛れてしょっ引かれるのは御免なんでな」

去っていく鬼首を捕まえる事もしないまま。

巽はその後ろ姿を黙って見送った。