BEAST POLICE

言われた通り、巽はすぐに一丁目にある新藤ビルという雑居ビルに向かった。

ゴミゴミと密集したスペースに建てられた五階建ての雑居ビル。

テナントなどは入っていないようで、現在は廃墟同様になっている。

その雑居ビルの階段を、巽はゆっくりと上がっていく。

五階まで上がり切った所で。

「わざわざご足労頂いて申し訳ありません」

眼鏡をかけたインテリ風の男と、それを取り巻く強面のチンピラ達、そしてパイプ椅子に座らされ、後ろ手に手錠、猿轡をされた環の姿を見つける。

「典型的なヤクザの手口だな…人質をとって脅迫か」

「とんでもない…彼女はアイドルという事で何かと危険に晒されますからね…我々が一時的に身辺警護をしていただけですよ」

インテリ風の男は人の好さそうな笑顔を見せた。

「…すぐに巽さんにお返ししますよ…色好いお返事が頂けたらね」