『本当は‥』



『こんなムードのない所で言う
つもりじゃなかったんだけどさ。』



『………?』



美希が不思議そうに首を傾げた。



『俺が今までホストを続けてきたのは
全部お前との将来のためだったんだ。』



『私のため‥?』



『…そう。』



『平凡でも幸せな家庭が欲しくて…』



『それがずっと俺の夢だったから。』



俺は真剣な眼差しで彼女を見上げ
白く細い腕をぐっと掴んだ。



『なあ、美希。』



『俺と結婚してくれないか?』



『お前と出会った時からずっと決めてた。』



『俺にはお前以外の女
なんて考えられないって。』