あの頃の君へ〜eternal love〜

____カランカラン。



男の手から赤く染まった包丁が
勢いよく滑り落ちた。



それと同時に雨で濡れた地面から
虚しい金属音が鳴り響いた。



『おっ、俺は知らねぇからな!!!』



『こ、この!この小僧が勝手にっ‥!
コイツが勝手にぶつかってきたんだ!』



こちらを指差して



男は動揺を隠しきれずに
ガタガタと全身を震わせていた。



秀吉は目の前で苦しそうに
荒い呼吸を繰り返している。



『誰かっ!誰か、救急車を‥!!』



『今すぐ救急車を呼んで下さい!!』



俺は頼りなく震えた声で
何度も何度も助けを呼んだ。



幸いな事にその声はすぐに届き
誰かが救急車を呼んでくれた。