あの頃の君へ〜eternal love〜

着ていたコートを彼女の肩へかけて
ひとまず頭上からその様子を伺った。



まだぬくもりが残る
コートに包まれながらも



彼女の身体は小刻みに
ブルブルと震えていた。



まるで捨て犬のようで
放っておけなかった。



『夏希…なにがあったんだ?』



『なんでこんな所に居たんだよ?』



『それは‥、ここに居れば
蓮に会えるような気がして…。』



『だったら連絡してこいよ。』



『そうすればこんなに
寒い思いしなくて済んだのに。』



『‥‥分かってる。』



『分かってるよ!でもっ…!!
今日はどうしても‥!どうしても!』



『蓮と初めて会ったこの場所で
偶然を装ってでも会いたかったの!!』



彼女が大きな声で叫んで
突然ベンチから立ち上がった。



俺の顔をじっと見つめて



今までに見たことがないくらい
真剣な表情で唇を噛みしめている。



そこには、いつものおどけた
彼女は居なかった。