まっすぐに細い裏道を進んで行くと
向こう側に見慣れた公園があった。



いくつかある街頭がぼんやりと
小さな敷地内を照らしている。



もちろん、そこに人影はない。



そう思って通り過ぎようとした時
ふと、ある光景が目に入った。



そこにはベンチに一人肩を落として



寂し気に地面を見つめている
女性の姿があった。



『おい…!夏希!!』



『お前、こんなとこで何やってんだよ!?』



『蓮……』



ゆっくりと近づいて声をかけると
彼女が力ない声で返事をし顔を上げた。



見た事もないうつろな目。



瞼は赤く変色し、少しだけ
腫れているようにも見えた。



『こんな真冬に‥』



『風邪でも引いたらどうすんだよ?』



『ほら、これ着ろって。』



『‥ありがと。』