あの頃の君へ〜eternal love〜

『蓮さん!』



『5分後にお客様がご来店です!』



『…………。』



『あのー、蓮さーーん?』



トントンとノックをして
ヒデさんが数回ドア越しに俺を呼んだ。



けれど、



俺はそれに気づいていながら
返事もせずに店を飛び出した。



美希に会いたい。



とにかく会って話がしたい。



今すぐにでも。



華やかな夜の街をスーツ姿の男が
全速力で走り抜けて行く。



冷んやりとした外の空気が



まもなく訪れる冬の気配を
俺に知らせているようだった。



大勢の人混みをかき分けて電車に乗り込み



心拍数の上がった胸を
落ち着かせるようにそっと撫で下ろす。



もはや持つ意味を失った携帯には



沖縄の海を背にして撮った
2人の笑顔の写真が溢れていた。