あの頃の君へ〜eternal love〜

『ハハッ、何だよ。
気にすんなって‥!』



『これは俺が好きで
やってるだけなんだ。』



『どうせ家に居たって
他にやる事もねぇしな。』



蓮はクスっと笑うと
止まっていた手を再び動かし始めた。



そう。蓮はこの仕事に誇りを持っている。



本当にカッコイイと思った。



そしていつかオレもこんな
大人になりたいと思った。



『蓮!オレも手伝うよ!』



『おう!サンキュー。』



飾らない笑顔に謙虚な姿勢。



ホンモノはこうなんだと
この時初めて分かったような気がした。



だけど、



そんな完璧に見える男にも
ただ1つ大きな悩みがあった。



それは入店から2年目を迎えた日に
蓮が打ち明けてくれたある恋の話だった。



『なぁ‥秀吉。』



『お前は本気の恋ってした事あるか?』



待機中に蓮が珍しくそんな事を言った。