あの頃の君へ〜eternal love〜

"ただの冗談"



それならそれで構わない。



でも、



俺にはとてもそんな風には
思えなかった。



『大体ねぇ〜!』



『婚約者のいる男なんかに
興味なんてないっつーの!』



『あたしだってもう
立派な大人なんだから…』



『大事な人を悲しませる
ようなマネはしたくないしね。』



彼女はなぜかうつむいて
寂しそうに背を向けた。



それは初めて見た
俺の知らない夏希だった。



『あたし…』



『今日はこのまま電車で帰るよ!』



『そろそろ始発も来る頃だし。』



『じゃあねっ!!』



彼女が俺を振り返って
いつもの笑顔で手を振った。



そして、



何事もなかったかのように
俺もその背中を見送った。