あの頃の君へ〜eternal love〜

『ごめんな?せっかく来てくれたのに。』



『ううん。いいよ。』



『忙しいの分かってたし…』



この日、俺の指名は10本を越え



店内は沢山の常連客で
埋めつくされていた。



しかし、



その嬉しさと同時に



広いホールを慌ただしく
動き回っていた俺は



彼女を1人待たせていた。



『なぁ…』



『お詫びに好きな物頼めよ。』



『今日は全部俺の奢りでいいから。』



俺は彼女の頭をそっと撫でて
テーブルの上にメニューを置いた。



『なによ…』



『本当はすっごく
優しいんじゃん!』



『全然連絡もくれないから
嫌なヤツだと思ってたのに…』



『こんなの調子狂っちゃうよ。』



彼女はうつむいたまま



しばらく俺と
目を合わさなかった。