あの頃の君へ〜eternal love〜

それから数日後。



突然夏希が店に現れた。



『お前…』



『何しに来たんだよ!?』



自分の客を見送り
急ぎ足で店内へ戻ると



たまたま通路ですれ違ったのが彼女だった。



『はぁ〜!?何しにって…!』



『そんなの蓮に会いに
来たに決まってんじゃん!』



彼女はそう言って



堂々と脚を組みながら
ソファに深く身体を沈めた。



『やっぱり…』



『指名の数すごいんだね。』



『全然こっちに来てくれないから
今日はもう帰ろうかと思ってたんだ。』



何やら浮かない顔をして
彼女が下唇を噛んだ。



少しスネているのだろう。



機嫌を損ねるつもりはなかったが
あの頃の俺はまだ未熟なホストだった。