あの頃の君へ〜eternal love〜

『それからこれ…』



『あたしの名刺っ!』



『源氏名も夏希で
やってるからさ!』



『…ああ。』



渡された名刺に目をやると、



そこには青いドレスに身を包んだ
大人びた女性の姿が写り込んでいた。



『じゃあ、あたし…』



『急いでるから先行くねっ!』



『ちゃんと連絡してよ〜?』



『バイバーイ!!』



彼女はくるりと背を向けて



こちらに手を振りながら
あっという間に姿を消した。



“何だったんだ?今の…”



まるで嵐が過ぎ去ったかのように
再びここに静けさが戻った。



『ハハッ…!』



『急いでるのは俺の方だっつーの。』



ギラギラと照りつける太陽を見上げて
俺はまっすぐに駅を目指した。



ちょっとだけ笑みを浮かべて。