あの頃の君へ〜eternal love〜

その時、



彼女の鞄の中で携帯の着信音が
何度も大きく鳴り響いた。



しかし、



彼女は表情ひとつ変えずに
決して電話に出る事はなかった。



『電話出なくていいの?』



『いいのよ。』



『どうせ彼からだし…』



『私には早く帰れって言うクセに
自分はよそで楽しんでるんだから。』



スミレさんが小さく愚痴をこぼして
おもむろに財布を取り出した。



『私、今日はもう帰るね。』



『お会計お願い出来る?』



『ああ。』



俺は向こう側にいるヒデさんに
すぐさまチェックの合図を送った。