『芽依ね…』



『大学を休学してパパのいる
NYに行こうと思ってるんだ。』



『…ニューヨークに?』



『うん…』



それはあまりに突然で
あまりに悲しい知らせだった。



『しばらく日本を離れるけど…』



『これからは誰にも頼らずに
自分の力でお金を稼いで、、』



『今度こそちゃんとした
大人になりたいって思ったの。』



その真剣な表情から



俺にも彼女の決心が
しっかりと読み取れた。



『いつ日本を経つんだ…?』



『…1週間後だよ。』



『そっか…!』



それから数分間、



2人は真っ直ぐに前を見つめ
特に会話を交わす事もなかった。