『兄ちゃんはこれから
人生の大勝負に出るんだろう?』



『だからその前に…』



『これで勝利を呼び込むんだ。』



『俺に出来る事は
これくらいだけどな。』



マスターはこんな見知らぬ
少年の背中を優しく押してくれた。



それだけで、



俺は何だか自分が無敵に
なれたような気がした。



『マスターありがとう。』



空のグラスをテーブルに置いて
俺はそっと頭を下げた。



『なぁ!兄ちゃん…』



『名前はなんていうんだ?』



『俺は蓮っていいます。』



『蓮か!…良い名前だ。』



『将来大物になりそうだな!』