『君っ!!』



街中をブラブラと歩いていると



突然背後から知らない男性に
声をかけられた。



『…何だよ?オッサン。』



そう言って振り返ると



30代後半くらいのスーツ姿の男性が
食い入るように俺を見つめていた。



『君、いくつ…?』



『ねぇ…ホストやらない?』



『はぁ〜!?何言ってんだよアンタ。』




『悪いけど!俺、友達と
待ち合わせしてるんで。』



俺は彼の目を見る事もなく
さっさと目の前を通り過ぎた。



それでも彼は決して
引き下がらなかった。



『なぁ…!!』



『5分でいいっ!!』



『少しだけ話を聞いてくれないか?』



メラメラと燃えるようなその眼差しは
真っ直ぐで力強くて少しもブレない。



その彼が急に俺の右腕を
ぐっと掴んでこう言った。



『俺は君に運命を感じた。
君なら必ずNo.1になれる。』



眩しい夕日に照らされながら
彼は目を細めて真剣に俺を見つめた。



そんなある夏の日



これが俺と飛龍さんの
1番最初の出会いだった。