あの頃の君へ〜eternal love〜

『ちょっと冷えてきたな。』



『ええ。』



『そろそろ戻ろうか…?』



俺は彼女の手を引いて
横付けした車に足を向けた。



『蓮…!』



『ちょっと待って!』



彼女がとっさに俺を呼び止めて
鞄の中から何かを取り出した。



『遅くなっちゃったけど‥』



『お誕生日おめでとう。』



『ああ。ありがとう。』



すると、



彼女が俺の手のひらに
車のキーをそっと乗せた。



『これ、あなたに。』



『えっ‥!?』



『この車ずっと前から
欲しいって言ってたでしょ?』



『だからあなたに
プレゼントしたくて‥』



『これを俺に‥?』



『ええ。』



俺は返す言葉も見つからず
ただ呆然と彼女を見つめていた。