『どうした!沙奈?』


向かい合って座っていたお兄ちゃんが、卓と同じように私の横に心配そうに座り直して私の顔を見る



『あっ、ごめん!
何でも無いんだ』


『何でも無い訳ないだろう?
まさか卓の奴、なにかしたのか?
……キス…とか…』



黙り込んだ私を見てお兄ちゃんは全てを分かったようだった



『アイツは…』


怒り気味に言う。



『沙奈はまだ卓が好きじゃないのを知っていて……ごめん沙奈』




お兄ちゃんは私に頭を下げた