『来て正解だったよ。感謝しろよ』
『うん
ありがとう
お兄ちゃん………』
お兄ちゃんは私の肩を抱いて一緒に家まで帰った
『あれ?
アイツ、何処に行ったんだ?』
家に戻ると卓の姿がなかった
そして勢いよく開いた玄関の先を見ると、汗だくになった卓がいた
しかも息も上がっている
もしかして
卓も、私を探しに行ってくれていたの?
そう思うと少しキュンッ……って、なった。
『アイツも沙奈を探しに行ったな…』
そうボソッと言ったお兄ちゃんの声が聞こえた
卓は、嘘が下手だ
走りたくなったから走って来たと聞かれても無いのにそう言って浴室に向かって行った


