『沙奈、あったよ。』 車を停めたお兄ちゃんはレンガ造りのコーポに指をさした。 私は、車から降りてコーポを見上げた あそこに、私と血が繋がってる………あの人がいるんだ もう顔も、ウッスラとしか覚えてない。 ただいつも私を沙奈……って、呼んで可愛がってくれていた記憶はちゃんとある。 私の本当の、お父さん。 どんな風になっているんだろう 私を見て、何て思い、何て言うんだろう。