『俺も一緒に行くよ』 『なんだよ……兄貴、立ち聞きかよ』 お兄ちゃんは少々、格好つけながら私と卓の近くにきた。 『立ち聞きじゃないよ。通りかかったら声が聞こえただけだよ』 『聞こえただけで何で兄貴もついて来るんだよ』 卓は、不機嫌な声でお兄ちゃんを軽く睨みながら言う。 『お前にだけ美味しい所を持って行かれるなんて冗談じゃないからだよ』 『あっそ。 だけど、千夏さんとは決着がついたのかよ?』