『お母さん、その人がどうしたの?』 女好きだった父の事をお父さんとは呼びたくなかった 『あなたに会いたい………って。』 『私に?』 『そうよ……沙奈に会いたいって』 ソファーに座っていた私は怒りながら立ち上がって、お母さんに噛み付くように言葉をぶつけた 『なんで!? なんであの人が、今ごろ私と会いたいわけ?私は嫌よ!! あんなに、お母さんをたくさん泣かせておいた人になんか会いたくないよ!!』