「あれ、もしかして驚いてる?ま、無理もないかー自分の刀が吹っ飛んでるんだもね。」
「一体・・・何をしたのですか。」
「ん?何もしてないよ?ただこの刀は、ただの刀じゃないんだよねぇ・・・」
“ただの刀じゃない”
その言葉で、僕は直感した。
「妖刀・・・・・・ですか。」
「正解。よくわかったね。ちなみに、風を操る刀さ。」
「なるほど・・・そういうことですか。」
「ただの刀に、人間がかなうわけがないだろ?さっさと彼女を渡しなよ。」
僕は無言で、気を失っている舞花さんの元へと近づいた。
そして、彼女の刀を鞘ごと袴から抜いた。
「・・・・・・なんのつもりかな。」
この刀は、僕には抜かせてくれないかもしれない。
けれど、僕は僅かな可能性に賭けてみようと思う。
「この刀で・・・貴方を倒します。」



