斬られている額に、私は手をかざす。
すると、小さな光がぽわんとあらわれ、傷は瞬く間に消えていった。
「お前……今…なにやって……」
驚く藤堂さんに、私はニコッと笑ってみせた。
「もう大丈夫です。気をつけてくださいね。藤堂さん。」
私は走って二階へと向かった。
「────沖田さん!」
二階へいくと、そこには血を吐いて倒れている沖田さんがいた。
私はすぐに、力を使った。
沖田さんはきっと、労咳にかかっている。
「舞……花さん……?何………を……」
「これで、大丈夫ですよ。もう、咳は出ないはずです。」
「今…何をしたんですか…?」
「そんなことより、まだ敵、いますよね?沖田さんは一階に行ってください。私1人で大丈夫ですから。」
私は二階の更に奥の部屋へと向かった。
この先は、もう敵しかいない。
長州のものたちしか、いない。
私は一番奥の部屋の襖を勢いよく開けた。



