「あ、そうなんですか…」


「あ、これ舞花さんにも渡しておきますね。準備できたら広間に来てくださいね。」


「わかりました。」


私は“あるもの”をうけとり、それを身につけた。


新撰組の、隊服───。


雲一つない、澄んだ空の色。


私はこの色が好き。


ここにきた日も見た、この羽織り。


私の仕事は、長州藩士を斬ること。


それだけだ。







────「それでは、出陣!」


近藤さんのかけ声で新撰組一同出陣した。


近藤隊は池田屋に10名で。


土方隊は四国屋に24名で。


私は近藤隊だ。


私は、歴史をしっている。


どちらの隊が当たりかも知っている。


でも私は、言わないことにする。


勝手に変えてはいけないという思いと、信用されていない私に耳を傾けてくれるはずがないという思い。


でも、今日、確かめる。


私が仲間として認められているのかどうか。


新撰組として活動していくのかどうか。